「IT経営マガジン COMPASS」2018年秋号

「IT経営マガジン COMPASS」2018年秋号

2018年9月19日 0 投稿者: 中島竜郎

経営者の皆様、こんにちは。「ITのちからで地域に貢献したい」でお馴染みの、『わかるラボ』ティー・ナカジマです。

今日は、中小企業のIT活用情報をわかりやすく紹介する季刊誌COMPASSの2018年秋号についてご紹介したいと思います。

今なぜ、生産性向上なのか

「生産性向上」というキーワードから、中小企業が取り組むべきことは何なのかをおさらいします。世界に比較すると圧倒的に順位の低い労働生産性を認識するところから始まり、労働生産性の計算方法から、IT補助金を活用したIT導入の効果まで一通り解説します。

これからの少子高齢化、人口減社会の到来を控え、若い働き手は以前ほどいなくなり、労働生産性を上げることは必須であり、その実現にITの活用が不可欠であるという内容となります。

中小企業支援キーパーソンに聞く

株式会社アテーナソリューション代表取締役(中小機構 よろず支援拠点全国本部地域支援ネットコーディネータ)立石 裕明氏へのインタビュー記事です。IT活用の意義についての話が掲載されています。

小規模企業では自社の経営を数値で見ていないことを課題として認識されており、POSレジや販売管理システムの導入などで効果を発揮する例が紹介されています。また、国の中小政策はある程度の規模の製造業を想定していることが多く、もう少し規模が小さく、人数規模も小さな企業へのサポートが必要な状況が分かります。

IT活用事例

小売 – 目利きで信頼集める焼酎店はなぜIT導入に踏み切れたのか

鹿児島県の「林酒店」におけるIT活用の事例です。

少量多品種を扱い、酒税の対応が必要な酒店でのIT導入の状況が説明されています。立ち上げ時の商品情報登録でご苦労されたそうですが、2017年7月に無事可動し、単品管理を実現しているそうです。

ナカジマの感想:在庫と販売の数値が一致するようになり会計・税務処理も楽になる上、顧客ごとの購買情報も整理できるようになり、今後の販促に期待が持てそうですね。また、事務処理に割いていた時間を珍しい焼酎を探すのに充てられれば、お客さんも喜び満足度の向上にも繋がりますね。

介護 – 訪問介護業務にスマホ&クラウドアプリ ペーパーレス化を実現し特定事業所加算も

続いて、千葉県の介護サービス業「さざんか」におけるIT活用の事例です。

介護の現場では、1日に数十件ものサービス提供があり、ヘルパーと本部との情報共有に苦労されていたそうです。業務改善の一環として、紙の電子化を進めたとのこと。ICタグとスマホに搭載されているNFC1を活用し、ヘルパーが訪問先でICタグをスキャンすることで、入室・退室時刻を自動記録するほか、サービス提供記録をスマホで簡単に入力できるようにし、ヘルパーの負担を軽減できたそうです。

ナカジマの感想:一つ一つの業務処理も、積み重なれば負荷も高まります。細かい手順の簡略化で負担を軽減することは大切な視点ですね。

卸売 – 日々の事業活動を数字で捉える!現場が主体的に行動し、利益改善へ。

最後に、熊本県の卸売業「肉の大栄」でのIT活用の事例です。

業務改善策を検討しようにも、検討材料自体がなかったことから、販売管理システムを導入しデータ分析に取り組むことで、粗利率の可視化に成功。また、可視化によって社内にも変化が現れ、営業担当者が改善点を分析し、交渉を行うようになったとのこと。社内に良いサイクルが回り始めたそうです。

ナカジマの感想: 販売管理システムで経営が可視化され、いかにムダを減らし、利益を上げていくかというマインドが醸成されたということですね。これまで経営者のみが知っていた情報が現場でも見えるようになったことは大きな進化だったではと推察します。一体感も出てきて素晴らしいですよね。

IT導入補助金対象 ITツールの活用価値

バックオフィス系のクラウドサービス「奉行クラウド」と、名刺管理サービスの「Sansan」の活用事例が紹介されています。

サービスを利用することで初期費用と月額費用を減らすクラウド利用の考え方は随分と浸透してきたと思いますが、小規模事業者様ではまだまだ手作業のところも多いかと存じます。自動化できるところは自動化し、空いた時間を本業に充てるようにすれば、生産性の向上が期待できますね。

ネット社会との「お付き合い術」

「個人情報保護法改正から1年 すべての企業に求められる対策」というテーマで、まず改正された個人情報保護法の内容のおさらいと対策について紹介されています。

個人情報の定義や、個人情報保護に関する用語など、抑えておきたい点が簡潔にまとまっています。

積極的な投資で攻めの経営

日々変わる生産計画にAI活用を 最適化の起点は顧客ニーズにあり

福井県のパン製造業、株式会社オーカワパンでのIT活用事例です。

当日の販売動向から、翌日の製造を決め、受発注から機会稼働までデータを収集・一元化する仕組みを構築しているそうです。単に業務効率化という提供側の視点ではなく、顧客のニーズに沿って人と機械の稼働を最適化するという思想をお持ちで、そこにAI技術も取り入れながら実現を図っているそうです。

ナカジマ感想:お客様ニーズを実現するためにシステムを構築するという発想に感銘を受けました。情報を一元化し、さまざまな切り口で情報を分析することで、これまで見えてこなかったものも見えるようになってきますね。興味深いです。

成長市場に積極投資し躍進 次は経営判断のためのシステムを

岡山県のカット野菜製造業、倉敷青果荷受組合でのIT活用事例です。

受注の際にはWebEDI2を推奨し、データ化を図ること。タブレットでピッキング指示を行うことなどで、手作業を排し効率化が高まっています。今後の大きなテーマは原価の見える化とトレーサビリティとのことです。

ナカジマ感想:EDI化の推進は、取引先の都合もあってなかなか難しいと思いますが、どういった工夫で展開されたのか大変興味があります。データを集約する仕組みは出来ているので、原価管理やトレサビの実現も早そうですね。

データで見るITツールの普及と電子商取引の推移

小規模企業におけるITツール・サービス利用状況と、BtoC3(一般消費者向け)EC4市場規模の推移のグラフと解説です。

会社で使うメールとホームページの運用ガイド

メールとホームページを開設する際には、自社ドメイン5を取得しましょう。低価格で良質のサービス提供会社があり、サポート体制の厚い業者を選定し、本業に集中するようにしましょう。

連載 成長を目指す中小企業のためのFileMaker活用術

FileMakerというのは小規模利用を想定したデータベースソフトです。2018年4月に新バージョンが発表されており、その機能が紹介されています。


COMPASSは、年4回(2月、5月、8月、11月)の5日に発行される冊子で、IT経営の活用事例や、トピックスなど、中小企業の方々にも分かりやすく紹介されていますので、ぜひ購読をお勧めいたします。

読者登録は次のアドレスで可能です。 https://www.compass-it.jp/ 


COMPASSという冊子はこれまで存じ上げなかったのですが、中小企業の皆様にはぜひ定期的にお読み頂きたい内容ばかりでした。活用事例は参考になりますね。

「わかるラボ」が主催するセミナー、勉強会でも冊子を配布致しますので、ご参加の折にはぜひお持ち帰り頂ければと思います。

本日もブログをご覧頂きありがとうございました!

最終更新日:2018年12月20日

  1. NFC:Near Field Communication。近距離通信技術
  2. EDI:Electric Data Interchange。電子データ交換。例えばこれまで受発注を紙の伝票で行っていたものをデータに置き換える。転記ミスや受発注漏れの防止のほか、手作業削減による業務効率化が可能となる。WebEDIとは、データの送受信をWebサイト経由で行えるようにしたもの。
  3. BtoC:Business to Customer:一般消費者向け業態
  4. EC:Electric Commerce。電子商取引。
  5. ドメイン:インターネット上の住所