先端技術を活用すると、売上はアップするのかどうか。

先端技術を活用すると、売上はアップするのかどうか。

2018年9月15日 0 投稿者: 中島竜郎

経営者の皆様、こんにちは。「ITのちからで地域に貢献したい」でお馴染みの、『わかるラボ』ティー・ナカジマです。

さて、今日は「先端技術を活用すると、売上はアップするのかどうか」というテーマでブログを書いてみたいと思います。中小企業庁2018年度版中小企業白書を参照しています。尚、『先端技術』の対象は、IoT、ビッグデータ、AI、RPAを対象としています。

先端技術を用いた戦略的なIT活用の企画・検討体制

大企業と中小企業における、先端技術を用いた戦略的なIT活用の企画・検討体制はどうなっているのかの調査結果です。

引用元:2018年度中小企業白書 第2-4-45図 先端技術を用いた戦略的なIT活用の企画・検討体制

26.4%の大企業では、専門のプロジェクトチームが組まれていたり、専属社員を配置しています。一方、中小企業は、専門のプロジェクトチームや専属社員が配置されている割合が10.8%と、大企業の半分以下の数値です。

専門チームや専属社員の設置状況は、大企業も中小企業もまだまだ高くない状況であると言えるようです。直接的に利益に貢献するものではないため、設置は難しい状況であることが伺えます。

ITキーワード別の認知率と活用率

先端技術の認識率と活用率について見てみたいと思います。

引用元:2018年度中小企業白書 第2-4-46図 ITキーワード別の認知率と活用率

AI、IoT、ビッグデータについては8割以上の認知率でした。特にAIについては95.1%という高い数値となっています。これらは広く認知されていることが伺われます。一方、RPA(Robotics Process Automation)はここ数年もてはやされている単語です。いわゆる業務プロセスのロボット活用による自動化と呼ぶものです。こちらはまだ認知率59.3%と、あまねく浸透しているとは言い難い状況です。

活用率の方に目を向けてみますと、IoT1の数値が5.3%とやや高い傾向にあります。

簡易的なセンサーを取り付けてデータを収集するだけでも立派なIoTです。AIやビッグデータより比較的導入のハードルは低く、活用事例が日々登場しています。今後も当ブログでご紹介したいと思います。

とは言っても、先端技術の活用率は全体的にはまだまだという状況です。これから活用率が上がることで導入コストが下がり、活用率が更に上がる好循環が生まれることを期待しています。

先端技術(AI、ビッグデータ、IoT、RPA)の活用有無と売上高

今日のブログのタイトルにしていますが、結局、先端技術を導入することで売上アップに繋がっているのか。

引用元:2018年度中小企業白書 第2-4-47図 先端技術(AI、ビッグデータ、IoT、RPA)の活用有無と売上高

先端技術を活用していると回答した事業者では、52.1%が売上高増加傾向にあり、活用していないと答えた41.5%よりも高い数値を出しています。

ただ、先端技術の活用有無に関係なく売上高が変動したケースもあるでしょうから何とも断定できません。先端技術活用が売上アップに繋がる可能性もあることを示唆しているとは言えるかと思います。

引用元:2018年度中小企業白書 第2-4-48図 先端技術(AI、ビッグデータ、IoT、RPA)の活用有無と経常利益額

売上だけでなく、経常利益額を比較したグラフを見てみます。

活用していると回答し、経常利益額が増加傾向にあるのが47%。活用していないと回答し、経常利益額が増加傾向にあるのが37.3%。先程の売上高の割合と大差ないです。

一方、経常利益が減少傾向という回答が、活用しているが16.2%、活用していないが18.5%となり、その差は2.3%。先程の売上での差は6.3%でしたので差が縮まってしまいました。ただこちらも、先端技術活用ではない要素が経常利益の変動に影響を与えていた可能性もありますので、このグラフからでは何とも言い切れません。ぜひ具体的に個社ごとに状況をお聞きしたいところです。(先端技術を導入したが故、償却費や運用経費がアップしてしまい、経常利益を押し下げた、ということもありえない話ではないかと思います。)

先端技術(AI、ビッグデータ、IoT、RPA)の活用有無と労働生産性

財務諸表には現れない「労働生産性」の面で、効果はどう出ているのでしょうか。

引用元:2018年度中小企業白書 第2-4-49図 先端技術(AI、ビッグデータ、IoT、RPA)の活用有無と労働生産性

この数値は、3年前と比較して労働生産性がどう変わったか、という調査だそうです。

先端技術を活用していると回答した事業者の9.2%が、労働生産性がかなり向上と答え、50.0%がやや向上と答え、結果、6割近くの事業者で向上したという結果となっています。

先端技術を活用していないと回答した事業者の、かなり向上したとやや向上の数値を足して43%ですので、先端技術を導入することで、労働生産性向上に繋がる可能性が高いことを示唆しているといえます。(もちろん、先端技術を使わず生産性を上げる方法もあります)。

まとめ

先端技術の活用が売上高、経常利益、労働生産性の改善に結びつく可能性は高いことが伺えます。ただ、投資の効果を最大限に引き出すには、技術の導入自体を目的にせず、業務プロセスを見直し、IT導入と業務プロセスの見直しの両輪で事業全体を改善するようお願いしたいと思います。

事業の性格や組織のIT活用の成熟度により導入方法、活用方法、成果は変わりますが、いずれの組織においても革新を起こす良い時代であることは間違いありません。ぜひ先端技術の導入についてご検討頂くきっかけとして頂ければと存じます。


「わかるラボ」では、とはいってもどう検討するのかとお困りの経営者様に、一緒に頭を悩ませながら検討する取組をしております。ぜひ一度お声がけ頂き、お悩みごとをお聞かせ下さい。問い合わせフォームやTEL 050-3553-7653 (土日祝除く10:00-17:00)へのご連絡をお待ちしております。

本日もブログをご覧いただきましてありがとうございました!

最終更新日:2018年12月20日

  1. IoT:Internet of Things:モノのインターネット。インターネットを介してセンサー等機器類が繋がり、情報集約と分析により価値創造につなぐことが可能となる。